大相撲の歴史 経済の視点
大相撲の歴史は、経済の栄枯盛衰の中で受け継がれてきました。神事としての儀式は残しながらも、興行の方法を確立することで、地域の発展にも寄与するようになったのです。江戸時代の興行では、大名家のお抱え力士が活躍し、錦絵などの関連商品を販売する文化も根付きました。
明治から大正の初期にかけては、梅ヶ谷と常陸山が黄金時代を築きましたが、その後は米騒動や関東大震災の影響で大相撲の経済状況は著しく悪化しました。大正から昭和に変わると、今度は昭和恐慌の影響も受けるようになりますが、双葉山の登場で人気が復活しています。
終戦の直後も厳しい状況が続きましたが、栃若時代の隆盛で活気が戻ります。さらに、大相撲出身の力道山も活躍したため、戦後間もない頃の暗い空気が明るくなりました。高度成長期の時代になると、大鵬が連戦連勝を重ねて、32回の優勝記録を作っています。バブル経済の時代には千代の富士が活躍し、双葉山に次ぐ53連勝の大記録を残しています。