大相撲の歴史と未来

古代以来の歴史を有する役職 行司

行司

行司の歴史は大変に古く、平安時代の相撲節会の神事にまで遡ることが可能です。この神事で勝敗を判定した志賀清林を始祖とする説がありますが、織田信長の時代に発祥したとする説もあります。

現在の大相撲では、式守と木村の名字を冠する人が行司を担当していますが、江戸時代まではもっと沢山の一門がありました。他の家は断絶しても、大相撲の儀礼や神事を木村家と式守家が受け継いできたのです。現在では大相撲部屋に所属しながら、アナウンスなどの多彩な業務も行っていますから、縁の下の力持ちのような存在でもあります。

行司は勝敗を裁くことがあっても、最終的な決定権はありません。土俵下の審判員や力士が物言いを付けた場合には、判定をした上で審判長が勝敗を決定する形になります。決定権がなくても責任が重大なことには変わりないため、最高位の木村庄之助が差し違えた場合には、責任問題に発展することがあります。脇差を持っているのは、差し違えたときには切腹する覚悟があることを意味しているためです。