大相撲の歴史と未来

稽古の伝統も重要

大相撲

大相撲の歴史を振り返ると、稽古によって強くなった力士を数多く見出すことができます。小兵でありながらも、鍛錬で培った強さで巨漢力士を圧倒した初代若乃花は典型的な例です。あるいは、双葉山や大鵬などの強豪力士だけでなく、名寄岩や高見山も同様で、土俵上で過酷な鍛錬を積み重ねることで、ケガに強いに肉体を養って番付を維持していました。

大相撲の各部屋には、土俵を中心にする稽古場があり、力士たちは朝から鍛錬を行ってきました。横綱をはじめとする関取が指導的な役割を担っているため、新米の力士を育てる場所でもあります。他のスポーツの練習場とは違って、神聖な場所としても崇められているため、神棚を祀る伝統も受け継がれてきました。

小さな部屋では練習で対戦できる力士が少ないため、出稽古を行う伝統があります。本場所で苦手な力士がいる場合には、所属する部屋まで出向いて取組をすることで、合口の悪さを克服することができるわけです。